情報過多で修飾過剰な社会は、さもそれが普通であると言わんばかりに大きな顔で振る舞っているけれど、しょぼい海老フライの中身のようにイケてない実態を見てしまうと、なんだか愚かで無様な曲芸にしか見えません。いつもいつも本物や真実は、その姿を簡単に現したりはしないものです。外ばかりを眺めて走っていると、トンネルでブラックアウトに襲われるように、日頃から見えづらい事柄に目を向けて訓練しておかなければなりません。過剰な明るさに慣れてしまったら、薄明かりでも歩けなくなることでしょう。自ら心のトンネルに意識を沈めて必要十分な感覚を養うことで、柔軟な感性と言語感覚を育てたいと思います。
過剰だと感じるはずだ目を閉じて今あるものに慣れたくはない
感覚は欲望に安易に迎合したりしない、眩しく五月蠅いのは過剰な証。
2019年7月14日
短歌 ミルク