韻を踏み言葉を掛けて雅を競う和歌の歌詠み人たちですが、読めば読むほど突っ込みどころが出てきて、ちょっとギャグ漫画っぽくなってきました。
色の移ろいを嫌い紫陽花を詠まないのもどうかしていますが、そんなデリケートな官僚歌人も乗船したり見送ったであろう遣唐使船の船出する場所の一つが今の大阪にあたる難波津(なにわづ)とあります。
んんっ、船が出るのに難波とはこれいかに、易しい波ならまだしも難しい波をわざわざ選んでゆくとは不思議なものです。紫陽花よりも深刻な問題のはずです。ひょっとして命がけの渡航であるにも関わらず、どこか浮き世離れで遊山の気分でいたのでしょうか。いかに自分たちが現場の実務から遠い存在であったかを示す出来事の一つだと思いますが、実際に船は何度も難破していますからね・・・。
紫陽花は悪しと詠まず遣唐の舟出す難波怪しみもせず
空想の雅の中身さらけ出し歌詠み人はおきらくごくらく
2019年7月13日
短歌 ミルク