すぐ近くで、似たような環境で育ったとしても、同じ花は一つとしてないのです。それを知っても人間は賢くなれ、大きくなれと期待することを止めません。最大値や最高値といった基準もせいぜい今の時間軸で測られたもので、将来何が起こるかなんて誰にも予測できないのですから、子や孫に収穫できる種の皮算用を押しつけるのもほどほどにしなければなりません。若くても、命は余裕しゃくしゃくで生きているのではなく、精一杯の力で生きようとしています。思ったように伸びることが出来なくても、その人なりの種や実を培いながら育っています。土があるから、太陽があるから、水があるから、当然のように育つだろうと考えてしまうことは、期待や理解が間違った方向へ向いていることに他なりません。
向日葵は期待にたわむ実を湛えここまで伸びた茎褒めるべき
似たような群れの中で自分を主張することは難しく、太陽も決して平等ではない。
2019年7月25日
短歌 ミルク