このブログも探して頂きやすいように、ブログのランキングを行うHPに登録していますが、そんなサイトのカテゴリーにさえ、単独で「短歌」というものはありません。だんだんとポピュラーになってきたとはいえまだまだ珍しい文芸のようです。
文字を読むということに関しては、ネットとスマホの環境が一般的になって、読み返すという動作が極端に減っていると感じています。まるで新鮮なものだけが読む価値があるとでもいわんばかりに、過ぎ去ったものが振り返られることはありません。手書きの文字のように表情や感情を持たないドットの字では、特別深い感情は湧かないのかもしれません。本来短歌にはツイートやメッセージにはない、隠された味わいがあるものですが、もう作り手もそんなことは意識せずに、大喜利感覚でただ今だけを楽しく過ぎればいいと思って投稿しているのかもしれません。表向きの薄い共感に終始するだけなら到底SNSにはかなわないと思うのに、投稿サイトはどれもSNSを意識したものばかりで、短歌本来の楽しみ方を補ってくれるようなものは少ないというのが現状です。
ユーザーが増えて、広告が増えて、投稿歌は増えても、肝心の短歌そのものは全く盛り上がらずに置き去りのままです。まるで流行歌のように昨日の歌が忘れられていく今のありかたは、道具を上手に使いこなしているのではなくて、道具にいいようにもてあそばれていると言ったほうが近い表現かもしれません。
咀嚼することは疎か旅の恥かきすてとばかり詠み捨つ短歌
随分前から投稿歌をたくさん入れ替えているのですが、想定通り気づかれないものですね。
2019年8月1日
短歌 ミルク