人間はカットの数を競い、マグマがひねり出した涙をジュエリーとして身につけていますが、勝手に描いた調和という世界に見合うように不揃いで歪なものを無理やり整えてしまう方法で、すべてを統べようという傲慢さに満ちています。
蓮の葉の上でデートする雨蛙のカップルの前に出来た自分達よりも大きな水の塊に、二匹は広い世界と未来を映して囁き合っています。美しいとは形にあらず、恵みに素直に心を添わせることだと、仏が諭しているかのようです。一世一代のプロポーズ、男を上げたね、カエル君。
奈落へと蓮を滑って捌かれた水も1000カラットの宝石
雨蛙の素敵なプロポーズに、花さえも恥じらい閉じてしまいました。
2019年7月20日
短歌 ミルク