昨日作った歌の簡単な解説をしたいと思います。いろいろと突っ込みどころはあると思いますが、思考を辿る一助になればと思っています。
1「観覧車」の歌
たぶん人が乗っている光景が最も想定されるお題だと思います。人が中心になる歌が一般的だと勘ぐって、何とか観覧車そのものを主人公にしたいと考えました。動いている時よりも止まっている時の方が既視感が少ないので、静止した様子を考えて作りました。
2「じめじめ」の歌
じめじめというオノマトペを追って雨水だくだくのマットレスに辿り着きました。ちょっと情けなさそうな雰囲気を追加するために泣きながらと付け加えてより湿り気を盛っています。
3「ゼリー」の歌
溶かれたゼリーのなんともだらしない様子は中年男性の専売特許のようなもの。家族にだから見せられるONとOFFの風景が、透明なゼリーから透けて見えます。当初「解かれた」で作りましたが「溶かれた」に直しました。
4「倍」の歌
短時間にしては良くできたシニカルな歌です。
いつまでも自分目線で非を認めない、認めたくない人はそこかしこにいますね。そんな人の物差しほど曖昧で伸び縮みするいい加減なものです。鼻をへし折るように二倍に。
5「場」の歌
歌題の読み込みがされていないと突っ込まれそうな歌ですが、「ばっ!」と飛び起きた時の音、そして場違いな配役という夢の情景を重ねて作りました。私にも年に一回くらい経験がありますが何かのご褒美でしょうか、それとも悪夢でしょうか。
6「味噌汁」の歌
不思議な人がいました。好意をもっていてくれた人でしたが、とても短い間の出会いであまり印象がありません。今でも覚えているのは味噌汁が飲めないということだけ。自然豊かな田舎育ちの境遇からは、違和感があるほどの軽い衝撃でした。
おまけ
7「泥酔して一首」
・ 蓮になることはできずに「またか」との肝のイヤミを聞いて過ごせば
酒乱でなければ良いです。泥酔くらいは。
2020年6月6日
短歌 ミルク