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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

006 夏と風

心が渇けば、砂浜にいた。風はそれを知って先に鳴き始めた。
青いのは若かった自分だけではなかった。

1・君だけの夏舞台だね夕映えに蜜柑花咲くまだ染まらずに

2・日に焼けた濃さと引き替え色あせた青いジャージと最後の夏へ

3・手に残る二葉のかおり濃いままにかすり目映い茶畑に夏

4・斜め前ぽつんと開いた転校の君は夏風 まぼろしになる

5・土砂降りではじまる夏の狂騒は強起弱起と織り交ぜながら

6・あの夏に遊び損ねた花火だね湿る青さが沁むサマーヌード

7・対岸に滲んでのびた蜃気楼追いかけられない夏の錯覚

8・潮騒を編み込んだのさ麦わらが風に答えるやさしくしなる

9・しばらくは落ち込んでいたいあの夜の風が私を甘やかしても

10・哀しさは風になるのかやるせない胸の隙間を音もなく吹く

11・一日を終えてホームに吹く風よ家はあるのか誰か待つのか

12・子供らはうまく切るんだこの風も押し戻されておぼつかぬ膝

13・隠そうと努める季節追いやって風はすべてを広げてみせる

14・強風が叩いてあおるYシャツが袖をぶつける手を繋いでる

15・夏休みラジオをばらすときめきに勝てずにいるよ未来の僕は

短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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