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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

005 恋

引き出しの奥から不意に出てきた片想いの遺物は
胸の碇を上げるように、酸いも甘いも吐き出させるもの

1・波音にはじき出された片恋は捨てられたもの捨てにきたもの

2・揺れ動く心の地図も不確かなあなたの森に迷い込みたい


3・ひとかけら口に含めた恋ならば流れるように染みこませたい


4・明日へと渡れぬ恋の拍動も点滅になる午後十一時


5・あなたとの見えない糸がたるんでも切るのが怖い引けないでいる


6・共に鳴り伝わることもない恋の痛みは胸の音叉のひびき


7・靴底に未練を残す夏の日の切ない恋をはらいサヨナラ


8・拭ってもみるみる曇るさよならと笑顔の君がまだこびりつく


9・温度差が視界不良を生むんだね曇る硝子にサヨナラと書く


10・うつむいた遠い視線が答えだねもう交わらぬ二つの線路


11・おはようが交わされぬ朝 告白の顛末たたみしまい込む席


12・サヨナラをを切り出す決意思い出す告白の日の胸のざわめき


13・奪われた心をそっと取り返すぶつかり割れてしまわぬうちに


14・乱暴な「ムリ」が良かったさよならは優しい字なんて救われないよ


15・その恋は回り道だと言うのかな人工知能に聞く花言葉
短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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