その広さや大きさは、時に自分の小ささを思い知らせて黙り込むもの
1・ああ空よ夜をどれだけ薄めたらそんな青さで塗りつぶせるの
2・雲走る便せんそよぐ緑の字カリグラフィーの棚田が続く
3・ステンドのガラスの破片思わせる棚田に散った飴色の空
4・言の葉が群れをなすかな鰯雲暮れゆく空で歌になるらむ
5・旅先で果てまで吸おう青空を心の荷物空っぽにして
6・みずいろの空は涙の海だからもう悲しみはこれきりでいい
7・ひとときも変わらぬことを願うのか雲よおまえはどうありたいか
8・もうきっと転がるように走れない空が私を引き留めている
9・移ろへる居場所を探す目に映る空は高いか深かったのか
10・行き先は告げずともよい放たれて雲はおもいのままに流れる
11・純粋が憧れ続け見た空は高くも深くも果てしなくもない
12・うわついた希望や未来は落ちてない空は誰のためでもなく青い
13・忘れなば夜空に問うて乞ひ願ふ風は吹き込む時をはかりて
14・どこからも希望は見えるそういえばプールの底から空も見えたね
15・霜月の空耐へかねてみぞれ雨冬のインクが滲み始める
短歌 ミルク