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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

002 雨

雨が隠しているもの、明らかにするものを、濡れながら考えた日


1・濡れるまでわからなかったこともある乾けば一つ大人にもなる

2・泥水が映す垣根もパステルで雨に踊るよ紫陽花乙女

3・揺れている線香花火五月雨に恋は終われぬカワラナデシコ

4・天気雨 海と空とを分けるよに夏のゲートは七色で開く

5・大空に向かい心を差し出せば梅雨の晴れ間も澄み渡るなり

6・雨粒に打ち抜かれたい泣けもせず穴も開かない私よ溶けろ

7・ダム底に褪せた校舎を連れて行く地雨が時を沈め始める

8・アスファルト濃く塗り替えてにわか雨リバーシブルの街は夏色

9・過ぎ去った残り香だから愛おしい上がった後から匂う雨とか

10・雨だれが促すリズム紫陽花の独唱 輪唱 合唱となり

11・この梅雨が明けたら空にあっかんベー君がミドリの舌出す季節

12・伸ばす手がとどく近さで曲がり行く路面電車が梅雨晴れをゆく

13・制服が肌に張り付く違和感も青春だった雨の放課後

14・夕立を横切る速さシャツが透け海になったよ君に飛び込む

15・大人しく雨音を聞く空蝉の最期にならん雨音ならば

短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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