自然災害をコンクリートとテクノロジーで切り抜けようとする現代にあって、見直されている多くの災害を記した石の碑があります。地震や洪水、火事や台風といった過去の被害を伝え教訓とするものですが、もう解説のパネルや立て看板がなければ字が判読できないほど風化してしまったものもあり、伝え残す事の難しさと時の流れの過酷さを思い知ります。センサーやビッグデータも役に立つことは理解できますが、人智を越えた振る舞いを想定出来てこそ、自然との共存が許されるのだと感じます。
慢心にこそ抗えと石の碑の影たずさえた字は浅くあり
凹凸は針を落としてはじめて音になるものだ、指でなぞれば先人の声がするはず。
2019年6月29日
短歌 ミルク