・ 嫌いな歌人の歌は読まないこと
短歌を学んでゆく中で多くの歌人の歌を目にして読んで参りましたが、もはや自分が目指すスタイル、目指す短歌の世界と交わらないと思えるものとは、関わらない方が良いということがよく解りました。
趣向や目的、目指すべき歌の姿や考え方が大きく異なっている場合には、もうその歌人とその歌人が作る歌には、決して関わらない方が良いと思っています。
とにかくよい影響が微塵もありません。
反面教師などという教材にもなりません。
自分が目指すところの「悪い例」としてしか捉えることのできない歌を何万首見たところで、自身のマイナス面には気付けません。
数首でも読んでみて、「なんじゃこりゃ」という印象しか湧かないようであれば、全く読まなくて構わないと思います。
よく言えば「違う感性」などという人もいらっしゃいますが、結局はただキラキラする言葉を探して真似しようとしているだけで、結果自分を育てることに繋がりません。
それよりも、作り方やスタイルが似ている人の歌や、自分に近い作り方を行っている人に絞って何度も何度も深く読み味わった方が、高いレベルでの気付きを得られると思うのです。
良きにせよ悪しきにせよ、歌にはその人が現れます。
直感が自分にとって好ましくないのなら、もう触れないということも一つの選択肢になります。玉石混交の中から探すよりも、一つでも二つでもふるいに掛ける事を学んで眼を養う方が、よりよい歌により速く出会えるというものです。
嫌いだということも、ひとつのふるいです。脳がふるいに掛けているのだと思って、ストレスになるような読み方は避けた方が賢明だということです。
それよりも自分の歌を繰り返し繰り返し読み込んで、歌とその景色を熟成させてゆくことの方が有意義な時間の使い方だと思っています。
2020年5月24日
短歌 ミルク