お堅い女を演じているわけでもなく、君は優等生のデートを望んでいたね。それが何より僕のことを大切に思っていることの証だなんて、その時はとても気付けなかった。ゆっくりと凍らせる氷が、何よりも透き通り輝いていることを君は知っていて、いつまでも慌てなかったから。
僕はただ焦っていて、もどかしいままで、氷を諦めたんだ。
師匠に抗うダメな弟子のように去って行く僕を見ていた君の瞳に、真夏の空が広がっていたよ。
二人の切ない痛みを刻むように、この夏も僕は荒い氷をかみ砕いてばかりいる。
唇も許しはしない遊びだと話した恋の厳しいルール
初な君にまるで踊らされているようだった、一つだけ残ったドロップのように。
2019年8月13日
短歌 ミルク