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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

事実に向き合わなければ正しい創造は生まれない

コロナ下や世界の情勢変化によって、製造業のモノ造りは国内回帰への動きが活発になっています。多くの製品で特許開放の恩恵を受けたジェネリック製品が海外で安く作られ、今や純国産と呼べる商品は絶滅危惧種となってしまいました。

この時期に多く使われるインクジェットプリンターもその一例でしょう。
インクは消耗品ですから無くなれば買い足さなければなりませんが、あるメーカーのインクカートリッジは当初、充填されたインクの量が外から見える「半透明」の容器でした。しかしある時期から途端に中のインクの量が外から確認できない黒色の容器に変わってしまいました。
メーカー側からすればいろいろな言い訳があるのでしょうが、酷いものでは3回~4回ヘッドクリーニング作業を行えば、一枚も印刷しないままインクが交換時期を迎えてしまうよういう悪質な商品を売るために、消費者を騙す行為と取られてもおかしくありません。
現在でもこの改悪は続いており、同業他社もこれに追随する始末です。

競争相手の少ない寡占事業ならではの、消費者不在の精神が貫かれています。

誠におかしな話ですが、現在は裁判で合法と認められた互換インクのメーカーはこぞって半透明の容器を使用するのに対し、プリンター製造メーカーの純正品は軒並み中身が見えないタイプを販売し続けています。

オートバイではある時期から燃料系がただの警告灯になり、自動車では水温計もほとんどが警告灯になりました。無くなったり、温度が上がってしまったらそれで動かなくなる装置であるにも関わらず、一体どこをどう考えればそのような思考に至るのか、甚だ首を傾げたくなるものです。
あげくの果てにドローンで離島に商品を配送して、買い物難民の不便を解消するとまで言い出しました。台風の際に一錠の薬も運べないものに一体何ができるというのでしょうか。

商品やサービスというものには、それに関わった人の精神が、少なからず付随するものです。これは短歌でも同じことだと思います。自分勝手な自分目線ばかりでは、閉口されてしまうことは、少し賢い方なら容易に想像できると思います。
「使った人がどう感じるか」を「この方がコスパに優れ利益が出る」が上回ってしまった時、ロクでもない製品が世に放たれることになるように、「詠んだ景色から何が浮かび上がってくるのか」を「私はこんなに感動したの」が上回れば同様に、ロクでもない歌が吐き出されることと同じです。

事実に向き合うことは傷みを伴うこともあるでしょう。
しかしそのことを越えて次の世界を見ようとしなければ、いつまで経っても「偽る」ことから逃げ続けなければなりません。それが果たして正しい創造を生むのでしょうか?
正しく創造されなかったものは、必ず疑念や不信や過ちを生むものです。
これは思考も同じこと。
正しく想像できない人や言葉は、必ず疑念や不信や過ちを生むのです。

絵画や音楽、ファッション、ダンス、動画や写真のSNS、見えているモノ、見えているコトにあまりに執着し過ぎていないでしょうか?

見えていない人、聞こえていない人、触れられない人、口先ばかりの多様性の中で置き去りになっている人達に本当に何が伝わっているというのでしょうか。

言葉に魂が宿るなら、魂も伝えなければなりません。
伝わって、刻まれて、傷になって、血が出る位でもいい、そんな覚悟で言葉や製品を世に出す気概を無くしてはなりません。

カラオケの点数が良い人が、本当に歌が上手い人ではないことを誰もがわかっているのに、
カラオケの方にすり寄り、間違った物差しに甘んじようとする日本人のズルい気質に呆れるばかりです。

戦争が一夜にして価値観を変化させることを学んでいるはずなのに、日本人は飼い慣らされた豚のように皆が同じ方向を向き、同じものを食べ、同じ服を着て、同じ車に乗って、同じような家に住んでいます。このような状態から革新的な歌や商品が産まれるはずもありません。

自分が使っているもの、自分が必要としているもの、自分が関わっているものが本当に正しく創造(想像)されたものなのかどうか、今一度見直してみる時期に来ているのでしょう。
言葉はすべての仲介役であり潤滑油です。
扱う人にはそのことの大切さを知り、言葉という道具を錆びさせない努力が求められているのです。

・自らが好んで分泌してしまう甘えが致死量の毒となる

甘やかされているのではない、甘えているのであってそれは自身の選択の結果である。
変わろうとする意志、変えようとする勇気、そして厳しい方向へ導く思想、広く周囲を見渡せる目、雑念を排した感覚、それらは決して甘えの中からは培われない。

困難の中で惰性に身を委ねて助かる命はない。


2022年12月31日
短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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