入れ替えた新規投稿分(うたよみん)
うたよみんに置いておいても誰にも読まれないので、こちらへ残しておくことにしました。
・見慣れない色した靴を履いていて誰かに君は染まりはじめる
・訊ねるな 脳ひねりつつ 知らぬ親 一問目指す 難問解く身
(たのしいな なつやすみ)
・成るまいと思う邪心の源泉はまさかの自分 半免鏡私(反面教師)
・遅れそう 連続回避本能が試練のような会社への道
※連続回避本能 前から来た人と同じ方向へ避けてしまう行動
・答えなどわかっていたらそれはもう青春じゃ無いロックでも無い
・喧騒のホームを穿つマルーンに見え隠れする乙女乱れず
・書き出しを悩む恋文 香を放ち散り積もらせた甘い芍薬
・目に見えぬその恩恵にひれ伏せと雷が鳴る気持ちもわかる
・折り紙の紫陽花は咲く孫の描くカタツムリの絵に添わせるように
・それぞれの花弁気高く陽に向かい五つの誓いで咲くプルメリア
・触れたから傷ついたのかこの場所が腐らせるのか蜜柑に問うて
・誰も皆ドローン捥いだ羽根を持ち風情が何処か飛んでいきそう
・武器にしか見えないだろう舶来の包丁セットを眺む鬼嫁
・凍えても焼けと言うらし解凍を果たせぬままの嫉妬は固い
・不機嫌は匂いも味も奪い去り予定調和の冷めたコーヒー
・心地よい摩擦もあって日向から蔭へと返すペダルは軽い
・君のため絞りきれずにいた愛もボトルの底に澱としてあり
・鼻歌を歌う代わりにアクションがすべてワルツさ アン・ドゥ・トロワ
・起きもせず挨拶もせず食べもせぬ姉が「お早う!」彼に逢う日は
・初物の西瓜を切って供えれば風鈴は鳴る喜んでいる
・2万回震わせ運ぶ陽炎は切ない夏のビブラートだね
・挑発にのらない人だその波が育ち高ぶるのを待っていて
・糠に手を入れれば涼は捕らわれて毛穴の声にならぬ声聞く
・初めてのスーツ励ます二日目の新人同士着られたままで
2019年8月16日
短歌 ミルク