君は何年産まれなのと聞きたくなるような、どう見ても平成世代なのに70~80年代の歌ばかり歌う女の子の話を聞きました。タイムマシンがあれば是非、1970~80年頃へ行ってみたいという彼女は、彼とのデートに必ずスマホを置いていくらしいのでその理由を聞いてみると、「待っている間のドキドキを感じたいから」と言うのです。まるでトレンディドラマの台詞のような言葉に耳を疑いましたが、どうやら中身はとても古風な読書家で今どき珍しいロマンチストだということでした。
スマホのせいで何もかもが決められたように動き、縛られ、管理されているようでとても窮屈な生活になってしまって、余計な情報だけオープンにされているような気がするので、あまりスマホに依存した生活は送らないようにしていると話してくれたそうです。
確かに、心の内は奥に秘めたままで、上辺だけのきれい事を並べているのが殆どのスマホの世界で、自分の感覚を正常に保つのは難しいかもしれません。
偶然が起こりにくくなった現代で、偶然と出会うには自分が進んで運命のカクテルをかき混ぜるしかありません。
自分以外の人との運命のぶつかり合いの中でこそ、輝く瞬間は姿を現してくれるものと信じています。
ときめきは時の谷間に落ちているスマホを置いてゆく初デート
ポケベルすらもなかったけれど、自分達そのものが一番「映え」ていた青春だった。
2019年8月27日
短歌 ミルク