まともな選評をされる方はごく希で、大抵の場合読み込みの足りないくせに、「歌は読み手のものだ」などと宣っている輩が好んで選評をしたがります。よく考えられ、練られて作られた歌の本質はとても奥深いものです。感じ方も受け取り方も異なる他人が、すんなりとその世界に浸れるほど簡単ではないと感じています。理解出来ていない人があまりに多くてうんざりですが、俳句や短歌はいいねの数を競う文芸ではありませんし、共感を求める呟きでもありません。子供のかけっこの写真のように、人それぞれがそれぞれの機会にそれぞれの視点で捉えた、唯一無二の断片であり、同じように見えてもその本質は異なるものだと思います。はっきりとした優劣の基準がないということは、何かが劣っていたり間違っているという根拠も成立しないというカオスな状態で、選者ですら未だマニアの域を超えない程度のものだと思っています。作歌のときの勢いや昂ぶりを削がないためにも、しっかりと読み理解することに重きを置き、不粋な評は相手にしないことも大切だと感じます。
褒めることせずに持論で押し通す読めない奴ほど選評が好き
歌の中の景色を1mmも理解出来ていないのは悲しいことですね。
2019年8月20日
短歌 ミルク