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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

ナメクジの軌跡

今更ながら「いく」と「ゆく」についてのお話をさせて頂きたいと思います。

私は「ゆく」という口語音に近い方が好きですので、短歌の中で使う分には「ゆく」の方が圧倒的に多いと思います。

多くの方が既に解説をされておられます。単純に古い言葉が「ゆく」で新しい言葉が「いく」ではなさそうです。書き言葉などで長く使われてきた「ゆく」、話し言葉として現代に広く使われるようになった「いく」、意味はどちらでも通じますし、どちらを使っても構わないのですが、より詩的な趣をもった言葉としての「ゆく」には特に思い入れを感じずにはいられません。

「ゆく」は単なる動作表現に留まらず、その行程や移動の様にまで思いを及ばせることを内包しているようで、(軌跡をつけてゆく)に近い意味合いがあると思っています。

「いく」ではこのように轍を付けるような効果も、そこに向かう思考も得られにくいでしょう。しっかりと根を張るような「ユク」という音の響きと共に、動いた道程に足跡が見えてくるような叙情を感じます。対して「いく」はさりげなさが強調されるような場面を演出するには良いかもしれません。無機質なものや、ゆらぎを伴わずに動いているものには、あっさりとした「いく」の方がふさわしいのかもしれません。

すぐに返信しなければ、まるで死んでしまったかのように言われてしまう現代では、もはや「ゆく」に思いを馳せる余裕すらないのかもしれません。
結果への最短距離ばかりを優先し、効率的な攻略法に溺れる現代人は、まともな足跡すら残せないのでしょう。そして誰も気に留めないで過ぎ去ってしまう。

あなたは「いく」人生を選びますか、それとも「ゆく」人生を愉しみますか。

ナメクジはいつの間にかの旅をする 人の忙しさを越えてゆく君

人は時として自分以外の事が見えなくなる。思いのほか移動しているナメクジも、ただ彼のペースで生きているに過ぎないのに。いつまでもペースを乱されているのは自分だと嘆く人の愚かさとは・・・。

2020年12月9日
短歌 ミルク
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ミルク
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非公開
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頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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