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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

012 夕暮れ

ドップラー効果で済ませてしまうのは淡泊すぎるだろう。消えかかる炎が最後に勢いを増すように、夕陽は視覚の外から何かを訴えかけている。心に蔓延る雑念を焼き尽くし夜をもたらす黒い帳が下りるとき、今日一日と自分自身に向き合う時間が訪れる。集いは解かれ、合図の音はどれも長く響いて、空に向けて大きく広げられた風呂敷は、静かに丁寧に畳まれてゆく。


乾きたる土振り払う長靴に響くチャイムの夕焼け小焼け

終業にシビアなカラスの号令で森の帳は静かに降りる

追いかける色定まらぬ夕暮れにはぐらかされて溶けたさよなら


なぜだろう日暮れは昼を曖昧に日の出は夜を鮮明にする


歩をあわせ何も話さず別れたね夕日はとても早く沈んで


夕焼けに伸びるしもべの背を競い走れ道化の挿絵のように


朱墨落ち薄まり混ざりなだらかに解かれゆく空地平に消ゆる


重力も無きものとしてゆるゆると鷺が置き去る朱き夕暮れ


人知れず恋を燃やしたアキアカネその身を溶かす夕焼けの空


納経の札裏返り柿の実も夕陽に溶けてカラスは帰る


2019年10月12日
短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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