生活は車の運転のようで慣れてしまった時が最も危険。怖々と小さな変化に目を配り、それでもこれでよかったのかと疑問を投げかける。どんなに焦っても月にすら歩いてたどり着けない有限を、日々すり減らして生きているのだから。
1・人生に見えない句読点のあり人間らしく立ち止まる時
2・関係に改行打たれた気分だね頭を下げてまたやり直し
3・破り捨て身軽となった日めくりの後悔背負う日々重み増す
4・先走る気持ちつまずき追いかける言葉はいつも周回遅れ
5・軋轢も炎の灯り温もりを産むことがあるマッチを擦れば
6・明日こそは!、絶対に!、なんて大げさとAからZへ笑うベクトル
7・隣りあい接しているのに閉じている解はあるのか二人の距離に
8・衝動はなだらかになり歩のすすむ速さと出会う損益分岐
9・誰にでも満ち欠けはあり枯れたとて湿りせせらぎ流れるを待つ
10・全員と仲良くなんてなれないよフォローも濾過し健全になる
11・心とはそう簡単に繋がらぬのりで貼るにものりしろがいる
12・転職を笑うな僕は君たちのような農耕民族じゃない
13・固まらぬ若いハートは穴だらけ注げど足りぬ溢れてもなお
14・愛で占ふ咲かせ散らせて人生を花にたとえて道を歩めり
15・紛れても紛れるなとか僅かでも抜け出せなんて言うな豆苗
2019年5月28日
短歌 ミルク