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短歌のリズムで

言の葉が群れをなすかな鰯雲 暮れゆく空で歌になるらむ

007 夜と月

一人が好きだ。一人の空間も、一つの灯りも、独り占めしていることも許されている夜が好きだ。月もきっと同じ事を考えているに違いない。

1・どうしても君を見たくてこじ開けた夢が零れる三日月の夜

2・しばらくは追いかけてくれ一人では明けそうにない赤い月の夜


3・誰の目も証も嘘も打ち消して夜は孤独に覆い被さる


4・ほんとうに静かな夜はどこにある さまよう我を月よ誘え


5・電車にもプレッシャーにも潰されて今日も平たい月を見ている


6・自堕落と夢あきらめてうつむいた強引な月やけに明るい


7・踏み込めばまだつかめそうな濃淡の夜は視界をすぼめ遠のく


8・東京へ行けば見えなくなるという君の星座を今 目に焼き付けて


9・星粒の描く紋様ひといきに亡者となってかき集めたい


10・寝静まる紺の夜空をひとしきり絞れば叶う結晶となり


11・澄みきって二人はどこへも行けそうで星は一つも流れなかった


12・先回りしたのは気持ち逢えずとも傾ぐ心に月は寄り添う


13・負荷を掛け産まれる灯り明暗も漕ぎかた次第 月はまだ無い


14・秋侘し真夜中に吹く口笛を咎める風は誰の代わりか


15・枯らさずに消さずにそっと抱く夜に吹かれ息づく心の火種

2019年5月24日
短歌 ミルク
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プロフィール

HN:
ミルク
性別:
非公開
趣味:
頭の体操
自己紹介:
気づく人だけが手に入れられる
輝きを求めて、日々の宝探しを
楽しむように短歌のリズムで進む
足あとのようなものです。

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